球速を更に伸ばすためには「タイミング」が命
脱力ができるようになり、無駄な動作を削り、伸張反射を上手く使った投球ができるようになると、
成人であれば球速は約130km/h台に到達します。
他のスポーツをやっていたりして、身体ができていれば140km/h台まで出るかもしれません。
そこから先、更に球速やフォームのキレ(いわゆる球のキレのことですが、当サイトでは、打ちづらさは球そのものより、フォームによるものが大きいと考えています。)を出していくために、タイミングの追求がはじまります。
何球も投げていると、しっかり指にかかったとか、楽に投げたのに早かったとか、しっくりきたという経験があるかと思います。
その状態を常に出せればよいのですが、それがなかなか難しい。
それだけ、毎回の投球動作にばらつきがあるということです。
投球動作というのは、ものすごい力やスピードがかかっているので、毎回微妙にぶれるのはむしろ当然です。
タイミングがコンマ1秒ずれただけでも、球速は10km/h以上変わってくるでしょうし、コントロールも当然大きく変わります。
毎回ぶれずにこれができる投手というのはまさに神業ともいえることをやっているわけです。
タイミングを極めるための「感覚」
プロの投手も、このコンマ1秒単位のタイミングを極めるために毎日練習をしています。
「タイミング」について、多くのプロの投手が口に揃えていう言葉があります。
それは、「投げる瞬間だけに力を入れる」 ということ。
これを言い換えれば、
投げる瞬間にだけ意識を集中することで、他の動作全てがそのためにタイミングを合わせてくれやすくなる。ということです。
これは非常に効果のある、「意識付け」の方法の一つです。
筋伸張反射で説明したように、投球動作は、全身の筋肉の伸張反射の連鎖によって起こります。
最高のタイミングで連鎖を起こし、最後のリリースに繋げるためには、投げる瞬間に集中するのが最も理にかなったシンプルな方法といえるでしょう。
下半身の動きは無意識に出来るようにしておく
実際にリリースのタイミングを意識してみるとわかりますが、
今度は下半身の動きが雑になります。
あちらが立てばこちらが立たず。
一度にたくさんのことを意識して出来ないのが悲しいところです。
ですから、下半身の動き、踏み出し幅や、踏み出し角度、クロス具合、脚の捻り具合といった、着地するまでの動作の感覚を
無意識にできるように反復練習しておくことが重要です。